読書好きなはずなのに、6年になって国語の成績が落ちるーー。
これは、サピックスに通っているお子さんに限った話ではありませんが、本稿ではサピックス生がぶつかりやすい壁とその克服方法について書きます。
まず、漢字についてはサピックスでは「漢字の要」、語彙については「言の葉」を使用していますが、上位クラスの限られたお子さん以外にはややボリュームがあり過ぎて手に余るのが難点です。
この点については、
A)割り切って、漢字と語彙の確認テスト前の勉強はやめて、返ってきたテストの答案の復習をする
B)別のコンパクトな市販の問題集と確認テストで間違ったところの復習で済ませる
というAとBどちらかのやり方で良い気がします。
次に読解についてですが、サピックスで重要とされる「デイリーサピックス・Bテキスト」は、素材と設問のクオリティが高いものの、
・問題文が長すぎる
・設問が記述中心で選択肢対策が重要なお子さんには使いにくい
といった特徴があります。問題文が長すぎると、読解の基本的な部分がおかしくなったお子さんには使いづらい「きらい」があります。
そして、このBテキスト、ボリュームがあり過ぎて
・問題文を解かせるのに最低1時間
・解説するのに最低1時間
はかかるために、ただでさえ忙しい6年生が国語Bのためのこのトータル2時間をどこで捻出すればいいのかという話にもなります。
結論から言えば、お子さんの志望校に関して、Bテキストをやり込まなくてはならない学校と、Bテキストまで真剣にやらなくてもいい学校があるはずなのでその見極めが必要です。そして、マンスリーや組み分けテストで国語が上向きになるまで、リハビリ的なレベルの教材を活用する余地もあります。
具体的には、サピックスのBテキストをコンパクトにしたような、
・「読解の応用」(啓明館)
・「読解の完成」(啓明館)
また、サピックスのAテキストの問題をさらにコンパクトにしたような
・出る順シリーズ「読解問題86」(旺文社)
を、まとめて3冊、夏休みが終わる8月末までに完成させるというのはやってみて良いかもしれません。
まずは、サピックスBテキストより少しレベルを落としたコンパクトな問題を一定数こなし、その上で再びサピックスのテキストをゴリゴリ使い倒す戦略をお勧めします。