最近、ある大手中学受験塾が「電話帳」という名前で呼ばれる過去問集を、夏休み前に受験生達に配布し、夏休み期間はそれぞれの受験生が受ける学校とは関係ない学校の過去問を解かせているようです。
ちなみに、受験生の志望校の過去問に関しては「今は解かなくていい。解くのは10月から」と指導していると聞きました。
この話を聞いてある大きな疑問を抱きました。
一つは、
「自分の志望校の入試問題の傾向を知らないまま夏休みを過ごすのは、意味のあることなのか?」
ということと、
「入試まであと4ヶ月の10月頃になって自分の志望校の過去問を解いてみて、箸にも棒にも引っかからずボロボロだった時に、残り4ヶ月で合格点を取れるような挽回策は簡単に見つかるのか?」
ということです。
ちなみに、その大手受験塾は昔は7月から志望校の過去問をやらせており、方針に変遷があります。そして、志望校の過去問35年分程度を、特定の校舎に集めて徹底的に解かせて検討させるライバル塾に最近かなり生徒を奪われています。
結局、保護者も受験生も、自分の人生を塾頼みにせずに、自分の頭で考えながら受験戦略を練るしかないということです。
ちなみに夏休みに志望校の過去問を網羅的に検討する必要はありません。
まずは、7、8月で全教科二年分ほど解いて、採点してみて、
・自分の解けなかった問題
を把握し、
・解けなかった問題が解けるようにはどうすれば良いか
を夏休み中に考えて、日々の勉強に反映させるしかありません。
中学受験の競争が激化する東京では、大手塾の間でも入塾のハードルをうんと下げているため、塾が合格を保証してくれる時代はとっくの昔に終わっているからです。