国語というのは、すべての科目のハブ、つまり扇の要です。「読解力が上がったら他の科目のミスも減った」という保護者の声も聞きます。
では国語の読解力はどうすれば上がるのでしょうか?
ここでお子さんや保護者が陥りやすいミスは、塾の指導に従って、過度な「アンダーライン作戦」に打って出ること。
1.「著者の感情と事実を直線と波線で分けましょう」
2.接続詞に印をつけましょう
3.自分が大切だと思うところはマルで囲みましょう
などなど。
そもそも、登場人物の感情と事実を分けるのは小学生の時点ではかなり難しいと言えます。
また、「接続詞に印をつける」というのは一見正しそうに思えますが、文章中のすべての接続詞に印を付ければ良いのでしょうか?それとも「ある接続詞」に印を付ければ良いのでしょうか。曖昧模糊としています。
「自分が重要だと思うところをマルで囲む」というのも大雑把過ぎます。指示にすらなっていません。
ではどうすれば読解力は上がるのか?
まず、ここでは「マクロな視点での方法論」と「ミクロな視点での方法論」に分けて解説します。
まず「マクロな意味での方法論」ですが、
短い文章で問いが簡潔な問題を/短期間で一定数こなす
というのが重要になってきます。
「量は質に転化する」(羽生善治 永世名人)
「当たり前の問いに対してきちんと答えられるか」というのを、短い文章を使って短期間で一定の問題数こなすことで「ああ、こうやって読解問題は解答するんだな」という<体感的な思考力>が得られます。個人的には、20問から30問を専門の指導者とのマンツーマンで取り組むことでお子さんに変化が見えてきます。逆に言えば、そのくらいの数をこなさないと国語力は上がらないのです。
その意味で、「ロジカル国語シリーズ」(くもん)や「サピックスのAテキスト」などはオススメです。いっぽう、問いの数が多く文章も読みづらいものが多い「四谷大塚の予習シリーズ」はオススメできません。
次に「ミクロな方法論」つまり、具体的なトレーニング方法ですが、
1.繰り返し出てくるキーワードは要注意、つまり文章のテーマである可能性が高い。
2.各段落同士をつなぐ「接続詞」のチェックは重要。なぜなら、文章全体の構造が分かるから。
3.説明文における、著者の「〜なのだ」「〜なのです」で終わる一文は、著者の主張であることが多いので重要。
4.物語文に関しては、登場人物の「心変わり」「行動の変化」を問う学校が多い。
5.段落ごとに「この段落はこういう内容なんだな」という「段落ごとの見出し」「段落ごとの要約」を、文章を読みながら頭の中で作るのはオススメ。
というのは、常に意識して読むと良いです。こういったことを無視ししてアンダーラインを文章に引いても、その文章が何を言いたかったかなんて到底わかりません。手段と目的が逆転してないでしょうか。
大切なのは「文章を読む際の思考方法」であって、アンダーライン云々というのは思考方法を身につけるための補助手段でしかありません。そうでなかれば、アンダーラインという行為を魔法の杖として盲信してしまうことになります。
なお「アンダーラインの具体的な引き方」を身につけさせるという目的をかなり強く意識した参考書としては、数研出版の「中学入試 国語の読解力をぐんと伸ばす」(物語編と説明文編の全2冊)があります。一度買って解いてみるのも一考でしょう。
