国語は、受験のハブです。算数であれ国語であれ理科であれ社会であれ、問題文から出題者の意図を読み取り、出題者を満足させるような解答をするには、国語力が欠かせません。
この国語力は、読書によってもかなり補えますし、読書はどの教科にも役立つような「教養知識」を与えてくれます。
つまり、読書はどの教科にも役立つという点で「一石四鳥」といったところでしょうか。
では、どんな本を読めば良いのでしょうか?
結論から言えば、好きな本を読ませるのが先ですが、ずっと好きな本ばかり読んでも多面的な考え方や幅広い知識が身につきません。
・フィクション(小説)
・エッセイ
・科学
・歴史
・社会問題
・哲学/心理
・芸術
といった感じで大まかなジャンルに分けて、それぞれからお勧めの本を読むべきでしょう。
では、いくつかお勧めの本をご紹介しましょう。
(フィクション)
・カゲロボ(木皿 泉)
→人気上位校の渋々の国語に出題された作品です。両親が離婚を機に自
分と見分けのつかないアンドロイドの製造を委託。「わたし」と「アン
ドロイドのわたし」のそれぞれが両親に引き取られることに。ところ
が、自分の引き取った娘がアンドロイドか人間なのかにこだわり続ける
母親は自分の引き取った娘を処分することに決めました。処分されるの
は、「わたし」なのかそれとも「アンドロイドのわたし」なのか・・・
スリリングかつホロリとさせる名作です。
・くまのあたりまえ(魚住直子)
→著者は大学で心理学を専攻した作家。本作品は動物が主役の萬話集です
が、シンプルなストーリーの裏には深いメッセージが込められた味わい
深い短編集です。高輪などの中堅私立をはじめ、各学校や塾の教材でも
取り上げられています。
・ハッピーノート(草野たき)
→「スクールカースト制度」を扱ったらこの方の右に出る者はなし、とい
うくらいこのテーマの作品を出されています。
(エッセイ)
・本を読むわたし(華恵)
→モデルとして活躍する華恵さんが小学5年生のときに書いたエッセイ
集。クラスの友達のこと。自分のこと。などに関する悩みや戸惑いを
透明感のある文体で描き話題になりました。
・人生を幸福で満たす20の方法(三宮麻由子)
→著者は企業で働く全盲の通訳・翻訳家。専門的な職業で活躍するだけで
なく幅広い趣味で人生を味わう日々の生活に触れらていますが、そこに
至るまでには長い長い彼女なりの苦しみと葛藤がありました。出題校の
多い作品です。
(科学)
・「はずれ者が進化をつくる」(稲垣栄洋)
→稲垣さんは生物・植物関係のエッセイを多く出されており、出題校も長
年にわたって本当に多い方です。とても読みやすい文章で、飽きませ
ん。本書は、2021年出題校数第1位の作品です。
・わからない世界と向き合うために (中屋敷 均 )
→本書は、2025年2021年出題校数第1位の作品。先の見通せない
現代。私たちはその不透明さに不安でいっぱいです。ではどうすれば良
いか?気鋭の科学者が問題を解きほぐしながらアドバイスを与えます。
・マンガ科学偉人伝(ムロタニ ツネゾウ)
→社会の発展に大きく貢献した科学者たちの人生をダイナミックにわかり
やすく描く漫画伝記集です。学習マンガの達人、ムロタニツネゾウさん
の魅力的なイラストで一気に読み通せてしまいます。
(歴史)
・武士の家計簿(磯田道史)
→映画化もされたベストセラーです。ある武家の1冊の武士の家計簿か
ら、歴史学者である著者がさまざまな想像力を巡らせ、武士の一家が
江戸から明治にかけてどのように生き抜いてきたかを生き生きと描き
ます。
・生きづらい明治社会 不安と競争の時代 (松沢 裕作)
→江戸時代という封建社会から明治時代という立憲君主制に移行したのが
明治時代でした。そこでは人々はどのように生き抜き、どのような問題
が発生したのでしょうか。入試でも出題された作品です。
(社会問題)
・砂糖の世界史 (川北 稔 著)
→我々の生活に欠かせない「砂糖」。この砂糖をめぐって世界はどう動い
ているのかを生き生きと解説する不朽の名著です。
(哲学/心理)
・〈自分らしさ〉って何だろう?: 自分と向き合う心理学 (榎本 博明)
→著者は本当に入試で作品が取り上げられることが多い心理学者です。
この「本当の自分とは何か」というテーマの文章は、近年多く中学
入試でも取り上げられます。ぜひ1冊手にとってみられることをお勧め
します。
(芸術)
・ルノワールは無邪気に微笑む: 芸術的発想のすすめ (千住 博 著)
→滝をめぐる一連の作品で知られる日本画の著者。今でこそ日本では知ら
ない人はいないというほどの有名な画家である著者ですが、そこに至る
までにはさまざまな苦労がありました。どうやったら自分の夢を叶え、
自分の好きなことで生きていけるか?という問題の解答・方法論にも
なっています。
・詩のこころを読む(茨木のり子)
→著者は「よりかからず」「自分の感受性くらい」といった有名な詩集の
数々を世に出した大詩人ですが、本書は著者が古今東西、世界中の素敵
な詩を色々な観点から取り上げ、子どもの視線でやさしく解説してくれ
ます。詩歌が苦手なお子さんには必読と言えます。
この他にもまだまだ取り上げたい本はありますが、またの機会に。
では、本を読む環境づくりについて少しアドバイスを。
・素敵な本棚を置こう
→勉強部屋やリビングに素敵な本棚を置くのはどうでしょう。最近では、
回転式の書棚やキャスター式の書棚など、いろいろあります。
・回し読みをしよう。
→話題になっている本を家族で回し読みしてはどうでしょう?会話も広がり
さらにお子さんの国語力が上がるはずです。
・読書ノートをつけよう。
→お気に入りのノート、自治体の図書館で子ども向けに配布されているもの
でも構いません。読んだ感想を書く読書ノートをつけてみましょう。
・お気に入りの「本を読む場所」を作ろう
→お気に入りのソファーや椅子、サイドデスク、もしくは郊外のカフェ、な
ど本を読みたくなるような環境を作ってみましょう。
受験にプラスになる読書習慣を身につけられるかは、5年生までが勝負とも言われています。ぜひ取り組んでみてください。
