【子どもの教育の話】中学受験で結果を出したのにその後挫折したお子さんの特徴

中堅の学校にせよ、難関校にせよ中学受験で立派に結果を出したのに、その後、挫折しているお子さんは何人もおられます。それらのお子さんに共通する特徴はなんでしょうか?

・算国2科目受験での合格者
→「受験までは算数と国語だけやってれば良かったので、数英国理社になって勉強のペースについていけない」というお子さんは意外といます。そして鬱になり、もしくは家庭内暴力を振るうようになり、といった感じでした。

・地頭だけで合格
→複数の数字を問題に当てはめて正解を導き出す能力が異常に高く、独自の算数解法能力で合格したものの、「小学校時代に、塾の先生など、他の人から教わったセオリー通りの解法を身につけられなかった」ため、中学に入って地頭などほぼ関係のない「英語」で挫折し、他の科目でも標準的な考え方や解き方がマスターできず挫折し、課題も提出できず、成績も上がらず、学校から保護者も呼び出され、、、というお子さんも複数います。「他の人が説明している時に、どうしても違うことをしてしまう」「学校でのルールが守れない」など、「頭はいいけど療育が必要」というタイプのお子さんに、保護者がどう対処するかが課題になってきます。

・レジリエンス(自己回復力)の弱さ
→TaFumoのOBには今のところいませんが、学校関係者や母校のOBの話を聞いていると、大学生や社会人になってから「司法試験になかなか受からない」「職場での問題発生が自分のせいにされた」といった理由で自死を選択されたお子さんが複数います。自分の知る限り、東大卒の方ほど多い。中には国立の医学部を出たお医者さんもおられました。「人生の困難に差し掛かった時に、それを切り抜けるためのツール」が「学ぶ力」だと思うのですが、日本では「受験が終わってから学ぶことをやめる」方が圧倒的に多いため、ヨーロッパなどと違い、学歴の高さと幸福感が相関してないようです。

・他責、共感力、内省力がない
→中学受験の場合、ある意味短期決戦なので「挨拶ができない」「片付けができない」「自分で復習ができない」「なんでも他人のせいにする」「他人からやってもらうことに感謝ができない」「言われたことを自分の内面で消化できない」といった問題を抱えていても、周囲はそれを問題にすることなく受験のサポートを続けます。しかし、このやり方だと中学に入ってかなり問題を抱えることになります。具体的には、同級生への誹謗や暴力、窃盗など。「教養とは、人の気持ちを理解できること」と言ったのは養老孟司さん、「子どもの頃、持病のせいで不機嫌な自分を諫めることなく、病院まで付き添ってくれる親を見ていて、初めて「感謝するって大人になることなんだ」と悟りました」と言ったのは確か吉本ばななさん(※)だったと思いますが、勉強が社会人力につながらないと、早晩挫折してしまいます。なお、余談ですが、自分の卒業した有名私立の男子校は、中学受験をへて入ってきた方ほど、社会人になってからの離婚率が凄く高かったです。

東大から大企業やメガバンクに入ったものの、50代で関連会社に転籍して定年になって終わり。という方はたくさんいます。その一方で、地方の私立を出た後、働きながらコツコツ勉強して大学院へ進み、現在は大学教授、経営者といった方もたくさんいます。

どちらが勝ち組でどちらが負け組という話ではありません。そこにあるのは本人が自分の人生に幸福感や満足感を抱けているかです。その意味で、「人生という長丁場において、いかに長く学び続ける習慣を身につけられるか」が重要になってきそうです。

インドの独立指導者・ガンジーは、「明日死ぬように生き、永遠に生きるように学ぶ」という言葉を遺しました。胸に刻みたいものです。

※吉本ばなな「大人になるってどんなこと?」ちくまプリマー新書