【中学受験の話】サピックスは本当に他塾より難しいのか?

某大手ブランド塾チェーンに通うご家庭から絶大な人気を得ている有料教育動画チャンネルの社長さんと、受験生向けコピー機レンタル会社(そんなサービスがあるとは)の社長さんの対談動画が一部の保護者の間で話題になっているようです。

その中で人気動画教育サイトの代表がおっしゃっていたことは、「四谷大塚の算数の予習シリーズは、いろんな切り口の問題が羅列しているが、サピックスは数値替え問題などを用意して、ある問題を解かせるのにさまざまな工夫をしている。その意味では予習シリーズの内容の方がマスターするのはむしろ難しいのでは」という趣旨のことだったようです。

確かに今から30年以上前の中学受験というのは、「力の5000題」みたいな問題集をひたすら解いて「何かを会得」できたり、「方法論にとらわれずに答えを出せる子」が受験を突破できるような世界でした。

そこで四谷大塚という、「予習シリーズ」という予習が前提のテキストと、毎週実施される「YTテスト」という理解度確認テストをサンドイッチにしたシステムの勉強システムを構築した塾が生まれました。

しかし、「反復学習を徹底しながら高度な内容まで誰でも習得できる」という学習法の確立までには至らず、TAPという塾が生まれ、そこから脱藩した数人が立ち上げたのサピックスでした。サピックスのテキストは全てオリジナルではありますが、四谷大塚での学習内容を脱構築し「反復学習を徹底しながら高度な内容まで誰でも習得でき、そして上位校にも合格できる」教材とカリキュラムに再構成したとも言え、いわば「コロンブスの卵」的な存在とも言えます。

そしてサピックスの一人勝ちとも言えるような状況が続く中で、サピックスは代々木ゼミナールを経営する高宮学園グループに買収され、サピックスの創業者の一人は、グノーブルというサピックスをある側面ではより洗練されたシステムと、サピックス出身の講師の中でも特に有能な講師を起用した体制の塾を立ち上げました。

一方、四谷大塚準拠系では、早稲田アカデミーという学習塾チェーンが、講師に指導内容に関して大幅な裁量を持たせる形のいわばサピックスとは正反対のやり方で、予習シリーズの弱い部分を補う授業体制で合格実績を上げ、志望校別NN特訓というサピックス生も利用するようなエッジの効いた講座を展開して勢いを取り戻しているような状況です。

そして肝心な四谷大塚はというと、早稲アカやサピックス、日能研でやっていけなかったお子さんの受け皿としてやっていくのか、それともかつてのような御三家や上位人気校の合格者でもサピックやグノーブル、早稲アカに負けない塾を志向するのか、見ていてやや方向性が見えない感じではあります。

ちなみに、最近どの大手塾でも「このままだと受かる学校がゼロかもしれない惨状(特に全教科にわたって基礎が全く身についてない)」のまま6年生になっているお子さんが増えている気がします。そしてどの大手塾でも自前の個別指導塾を併設しているのですが、あまり上手く機能しているように見えません。

なぜか?愚考するに、「受験なり志望校合格なりというゴールから逆算して、全教科にわたって横断的に学習計画を立てられる、いわばリエゾンのような人が、そのお子さんに付いてないからでは?」という気がしています。

が、引き続き考え続けたいと思います。